ずっとずっと行ってみたかった、伊豆修善寺にある老舗旅館"おちあいろう"さん。
憧れの理由は、旅館まるごと登録文化財である建築的価値も高い老舗旅館でありながら、”ととのい親方監修”のサウナで有名なこと、館内でいただく飲み物が全てインクルーシブであること、そしてお料理も評判良いこと。
今回は、家族ぐるみで仲良くしていただいている先輩の50才のお誕生日記念で、2夫婦4名でお伺いしてきました!
- かゆいところに手が届くホスピタリティ
- 旅館まるごと登録有形文化財の建築美
- 館内でいただく飲み物はオールインクルーシブ
- 館内全体像
- 客室の様子
- 建物の歴史や細部のこだわりがわかる文化財ツアー
- せせらぎが心地よい川沿いのロケーション
- サウナシュラン常連のサウナ
- お食事
かゆいところに手が届くホスピタリティ
前述のとおり、先輩の記念すべきお誕生日お祝い旅行ということもあり、旅館で過ごす時間以外の初日と二日目の過ごし方なども、無駄な時間を作ることなく楽しんでもらいたいため、周辺の見所なども事前にメールでいろいろ相談していましたが(しかも台風が来るタイミングで予定変更を余儀なくされたり)、その都度とても丁寧にわかりやすい回答をいただきました。
どのようなお店もそうですが、予約時点での受け答えの様子で、当日まで不安になるか楽しみが増すか、ってありますよね。
当日は修善寺駅までお迎えに来てもらいました。
修善寺駅改札出て右側が「送迎車ターミナル」となっており、そちらで待っていてくれました。修善寺駅からは有料道路にも乗って約20分。
湯ヶ島温泉郷の中にあります。
このあたりは、”arcana izu”をはじめ、”あせび野” ”嵯峨沢館” "東府やResort”など良い旅館がたくさんありますね。
こちらのエントランスを入って、靴を脱いで上がります。
下足番の方がいらして、もちろんどの靴が誰のものか管理されていて、出かける、となると、このエントランスに来た時には、私たちの靴だけが並んでいて、という気持ちの良いサービスを当然のようにやってくれます。
「電動自転車で浄蓮の滝まで行きたい」という先輩のリクエストにより、電動自転車を先輩がフロントに電話してくれていたら、私たちが降りて行った時には、これまた自転車を既に出しておいてくれました。ゲストを待たせないオペレーションが徹底しています。
座面の高さや電動アシスト機能の使い方などサポートしてくれて、送り出してくれます。
結構お値段するホテルでレンタサイクルすると良いお値段取られたりするものですが、こちらは無料でした。
そして、タオルやお水も持たせてくれて、その時は涼しかったので「要るかな?」と思ったくらいでしたが、登り坂なので持たせてくれて本当に助かりました。
旅館まるごと登録有形文化財の建築美
後述する「館内ツアー」に参加すると、この建物の中でも特に注目すべき箇所を、何が凄いかも含めて教えてくれますが、そのツアーに参加せずともその場にいるだけでその歴史の重みと心地よさを感じます。
エントランスの脇にはこのような茶室のようなしつらえの中の飾り方も、シンプルでどこかモダンさも感じる洗練された空間造りが見事です。
フロントに至る廊下もただまっすぐ続くだけでなく、このようなスペースがあって、シンプルだけど単調でない、機能美はあるけど商用的過ぎない、余白や遊びがあるのが本当に素敵です。
こういう廊下も窓ガラスや木枠や天井が本物だから醸し出す雰囲気がありますね。
それでいて、裸足で歩いて良い廊下の床は清潔感に溢れてます。
館内でいただく飲み物はオールインクルーシブ
冒頭に書いたように、おちあいろうの魅力の一つが館内のラウンジやお部屋、お食事処でいただく飲み物は基本全て料金に含まれています。(一部、高額な銘柄のお酒は有料ですが、無料の範疇でもかなり十分です!)
こちらのラウンジでチェックイン。
テラスからはきれいな清流が臨めます。
こちらのラウンジの飲み物はこのように並んでいて、好きなものを好きなだけ好きなタイミングでいただくことができます。
お酒だけでなく、おつまみや、アイスキャンディ、プリンなども自由にいただけます。
生ビールやハイボールなどもサーバーから注げるのと、スパークリングワイン・ワインも欲しい量だけ注げて良いです。
館内全体像
チェックイン時に、このような館内案内をお部屋ごとにいただけます。
本館は地階から三階まであり、眠雲亭は一階から二階まで、という造りです。
ちょっと迷路みたいですが、すぐ慣れて所々に案内板があるので迷わず行きたいところへ行けます。
全部で14室あり意匠がすべて異なります。
今回、先輩夫婦のお部屋は「葵」。お風呂やラウンジに近い場所にある1階のお部屋です。ベッドルームが明るいのも魅力です。
私たち夫婦の部屋は「松風」。眠雲亭の二階で、広さとしてはおちあいろうの中では狭いお部屋になりますが、それでも十分ゆったりしていたのと、お風呂がお庭側で明るいのが良かったです。
行くまでは、HPで部屋名が書かれていてお部屋指定で予約ができるのですが、どれがどう違うのかわかりませんでしたが、今回かなり理解しました。
公式HPで「絞り込み検索」ができるように、
「一間(和室・布団のみ)」か「二間(ベッドあり)」
「露天風呂あり」か「内風呂か(庭向きと窓なしと分かれます)」
この辺りが好みと料金が分かれるポイントですね。
先程の館内概要の地図の裏側には、必要な情報がまとまっていてとても便利です。
この辺りのツールがしっかりとデザイン性高く用意されているのも、ポイント高いですね。
貸切風呂もアプリから申し込むなどの、老舗旅館ながら昔ながら過ぎないオペレーションもさすがです。
客室の様子
お部屋に向かう建物の設えも全てフォトジェニック。
こちらは、お風呂に向かう通路で、先輩が泊まった”葵”のお部屋の前の廊下。
このガラスの意匠が本当に素敵です。
大正ガラスの柔らかい光が、廊下に優しい影を落として、本当に館内を歩いているだけで気持ちが落ち着くと同時に高まるっていう、旅館に求めるそれ、です。
ここからは実際に私たちが泊まった”松風”の様子。
お部屋に入ると、この一間がありゆとりを感じさせます。
セキュリティボックスなど収納されたクローゼットはこちらのスペースにあり、室内に物を置かなくて済む機能的な造りになっています。
客室はシンプルでゆったり。
清掃も行き届いていてとても快適です。
客室のルームツアーをリール動画にしてます↓ぜひ参考にしてください。
お部屋の飲み物も全て宿泊料金に含まれているので、ストレスフリー。
ポットはデロンギ、写真撮り忘れましたが、シュガーは富士山型など随所にこだわりが感じられます。
このリンゴ100%のチューハイが清涼感たっぷりでとても美味しかったのと、手前のホテルニューオータニ監修のハーブウォーターもとても気に入りました。
そしておちあいろうオリジナルのどら焼きもとても美味しかったです。
お部屋にはどら焼きとおかきが2つずつ置いてありました。
お部屋のお風呂はこんな感じで、結構ゆったり。外が見えるため開放感あります。
登録有形文化財に指定された建物の造りを残しながらも、 バスルーム・洗面台など水回りは全てモダンな造りにリニューアルしているので清潔感もありとっても快適なお部屋でした。
シャンプーやコンディショナーは、大浴場にも使われているナチュラルビューティブランド「yayoi」のシャンプーやコンンディショナーなどを用意。「yayoi」はノンシリコンなので髪や地肌を痛めないのも嬉しいですね。
スキンケアアイテムは「KAGURE」のクレンジングやローション、保湿クリームなど。
ハーブの香りがして、使った後はお肌がしっとりしました。
その他のアメニティも箱にまとめて入れられています。
建物の歴史や細部のこだわりがわかる文化財ツアー
毎日17時と10時に予約制で館内の文化財をスタッフの方が案内していくれるツアーがあります。(所要時間:約30分)
こちらは文化財にも登録されている「配膳室階段棟」。交差する階段は、配膳するスタッフと宿泊客が行き会わないように造られていて、機能的でありながら絵になる空間。
「配膳室階段棟」の天井や柱には屋久杉の木材が使用されており、板面に現れる模様が鶉の羽に似ていることから「鶉目杢(うずらもく)」と呼ばれています。美しい鶉目杢は屋久杉からしか出てこないため、昔も今も希少で貴重なものだそうです。
柱も「触って叩いてみてください」と文化財でありながら、触ってOKで、確かに叩いてみると、木の中身のぎっしりと密度の濃さを感じます。
初代オーナーは40年かけて裏にある金山を掘り当て財を成したそうで、そのお金を使って社会貢献として、地元の雇用創出のためにこの落合楼を、今の金額で40億以上をかけた一大事業として建設したそうです。
なので、とても手がこんでいて、2019年にリニューアルした際に職人さんが「今はこんなに手がかけられない」と感心したそうです。
90年経つのに、窓の差し込んで回すタイプの鍵のスムーズさ。
開けた時の横にスライドするスムーズさ。
これが凄いです。本当に丁寧に作られ、丁寧に管理され、ここまで守られてきたこと。
眠雲亭の2階にある宴会場「紫檀(したん)の間」」の廊下。
天井が斜めになっていて、美しいー。
宴会場の中にある、本紫檀。
見事なデザインで、凄い存在感を放っています。
こちらで結婚式や披露宴もできるそうで、14室すべて貸し切って300万円ちょっとだそう。
30名〜40名のゲストと思うと普通の結婚披露宴からしたら割高ですが、1泊ゆっくり温泉も翌日朝ごはんも大切な人と一緒に過ごせるなら、人気がありそうですね。
このおちあいろうは、運営をパレスホテルなどのウエディングを運営しているプランドゥーシーがやっているのでその辺りも得意なんですね。
「紫檀の間」の舞台での記念写真。
かなり雰囲気ありますね。
せせらぎが心地よい川沿いのロケーション
おちあいろうの名前の由来は、2つの川が落ち合うからだそうで、清流に隣接するように建てられています。
ラウンジの1階から降りて行けるようになっていて、夕暮れ時でも澄んでいる様子がわかります。(翌朝は台風の影響で濁流でしたが、、、)
吊り橋があって、川底まで見える透明度。
夕暮れ時の雰囲気も最高です。
サウナシュラン常連のサウナ
おちあいろうは、サウナも有名で、サウナシュラン2019年と2020年に受賞しています。
(2021年は2022年11月11日に発表予定)
サウナシュランとは、以下サウナシュラン公式HPより引用。
SAUNACHELIN(サウナシュラン)とは、TTNEのサウナ啓もう活動に賛同する様々な業界の「プロサウナー」が審査委員となり、11施設をノミネート。全国5,000施設以上ともいわれるサウナ施設の中から、水風呂・外気浴スペース・ホスピタリティ・男女の有無・料金設定・清潔性・エンタテイメント性・革新性などの観点で評価。既存の枠に捉われず新しい試みにより、従来のイメージより新たなサウナの価値を導き出し、サウナ愛を通じてより多くのサウナーをととのえた革新的なサウナ施設を、“今行くべき全国のサウナ施設”として毎年 11月11日「ととのえの日」に発表・表彰。
そんなことから、サウナ好きが多く集まる「おちあいろう」で特に話題になっているのが、こちらの狩野川のほとりでのテントサウナ。
このテントサウナか、大浴場「月の湯(茶室サウナ含む)」、または「天狗の湯(天狗サウナ含む)」を、チェックイン日の12:00~14:00まで貸切利用できるプラン(1日2組限定)があるそうで、この日はその利用後のお片付けをされているところを見学させていただきました。
ととのい椅子もリクライニングがバッチリのタイプ。
向いの建物がちょっと気になりますが(文化財ツアーでは、旅館を拡大しようと思った3代目が建てて今では使っていないそう。。)、まあ、他の旅館で人から見えるわけではないので、そう思えばOKですね。
シャワーがちゃんとあって、すぐ横にある水風呂も2人分用意されていますね。
そして上がる部分が畳とは贅沢!
次はこの川沿いのテントサウナプランも良いなーと気になりながら、いよいよ温泉&サウナへ!
男女それぞれが夜と朝では入れ替わるので、2種類どちらも楽しめます。
2種類のお風呂を出たところには、お水はもちろん、牛乳やコーヒー牛乳も!
そしてビールサーバーもあります!
まずは「月の湯」から。
内湯はとってもシンプルな造り。(画像は公式サイトより拝借)
朝の光が入ってきて気持ち良いです。
そして茶室ならぬサ室サウナ。
サウナ業界第一人者の"ととのい親方"こと松尾大氏がプロデュースしたサウナ。
この水に浮いているような造りの、手前の水部分が水風呂でした。
なので、サウナを出て石橋を渡って、そのままその下の水風呂へ入る感覚は、まるで川の中に入っているようでもあります。
でもちょっと狭目、且つサウナが頭上にある、という関係になります。笑
水温は、川の水も入れているそうで季節によってバラつきがあるようですが、9月中旬では推定15.16度くらいでしょうか。
(私たち夫婦のこれまでの経験でふたりの感覚が合致した温度です。w)
中はかなり広々していて、石の上で燻されてるお茶葉が良い香り。
温度はサウナイキタイには、80度とありましたが、マットを敷いてない木の部分に触ると、「アツッ」となるくらいなので、90度は超えてる感じがしたんですが、、、
温度計とか、時計とか、そういうのはサウナの中にはないのが、こちらの特徴。
「出たくなった時が出時」ということだそう。
サウナの近くには、サウナの入り方のイラスト付き解説と、お水とタオル、マットが完備されていて、とても快適です。
このととのい椅子は、身体にフィットしてくれるものの、お尻の部分が沈む形で、オットマンの方が若干高くなるのが、脚を伸ばした時に違和感あるのは私だけ?
あと、枕みたくなってるのが、少し頭の位置とずれふのと、共用部なので少し衛生面気になりましたが、まぁ、このくらいゆったり寝転べて贅沢にととのえるのはなかなかないので、十分ですね!
続いて「天狗の湯」。
洞窟の中のように造られていて、脱衣場からお風呂入ると、手前に洗い場があってこの景色が目の前に広がります。
面白い演出です。
奥側には温泉がドボドボと落ちていて、肩のマッサージ感覚で楽しめます。
そしてこの洞窟風呂につながるのが、伊豆の山と狩野川が見える露天風呂。
ご覧の通り、天狗の湯はかなり広いです。
奥側には水風呂とサウナも併設しています。
こちらは、月の湯と違って、サウナ室まで一度屋根がなくなるので、翌朝男性陣が入った時には雨が降っていたので、サウナに入るのに濡れて、水風呂でも雨に打たれながら、という状態のようでした。
どうせ濡れるもののね。
天狗サウナの中はこんな感じ。
足元を温泉が流れますが、それは水たまりくらいの浅さ。笑
川と木々の緑を眺めながら入れるサウナは最高に気持ち良いです。
こちらの天狗サウナも、サ室サウナも、セルフロウリュ可能です。
お食事
お食事も私たちの好みピッタリでした!
スタッフの方も若い方で明るく、とても気持ちの良い接客で、乾杯でお写真撮影をお願いしたら、カメラ目線になる前から連写してくれて、こういう自然な雰囲気もどんどん撮ってくれました。
おちあいろうは、老舗旅館をうまくリノベーションしてあって、新しい良いものもプロダクトアイテムで取り入れつつ、接客も古臭くないのがとても良いです。
お料理もどれも見た目もキレイで、季節を感じて本当に美味しかったです。
秋爽盛肴は、
さしみこんにゃく山葵の茎甘酢漬け
天城軍鶏胡麻ダレ
秋野菜のおひたし
特にこちら。
手長海老と浜名湖海苔
富士山岡村牛ときのこの小鍋
お造りは、修善寺はわさび田も多いので、生わさびがとても新鮮で美味しかったです。
揚げ三種と、少しずついただけるのも嬉しい。
鯵のおかき揚げ
小芋の唐揚げ
蓮根と猪のはさみ揚げ
天城紅姫あまごと原木椎茸巻き
からすみ磯辺餅
伊豆しかロース藁焼き
焼きなす
鹿がシルキーで火入も素晴らしく、本当に美味しかったです!
桜海老の天ばらご飯
山葵と昆布の佃煮
手長海老の赤出汁
さつま芋の小菓子
きなこクリームとほうじ茶アイスクリーム
と、最後まで、かなり好み!なコースでした!!
お夜食におにぎりまで。
朝早起きしたので、いただきましたが、シンプルな塩むすび、時間経っても美味しかったです。
ありがたいー。
そしてお部屋に備え付けられていた、オリジナルの''ぐり茶"が本当に美味しくて、透明度の高い美しさグリーンの澄んだ味でした。
朝ご飯はこんな感じでコンパクト。
たくさんは朝から食べられないので充分です。
そして山葵ご飯をおすすめされて、そのフレッシュな辛さが最高に美味しかったです。
因みにディナー時のドリンクメニューはこちら。
オリジナルの果実酒のほか、日本酒は久保田の萬寿とかあるの嬉しいですね。
有料のドリンクメニューは、こんな感じです。↓
オーパス・ワンや、5大シャトーもオンリスト。
そりゃこのあたりはインクルードできないですね。笑
以上、おちあいろうの
建物やサウナ&温泉、お料理&ドリンク、サービスについてまとめました!
お値段的にそうそういけないけれど、何か特別なタイミングでまた伺いたい、大満足な滞在となりました!
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